app

app モジュールは、アプリケーションのライフサイクルコントロールを担います。

次の例は、最後のウィンドウが閉じたときにアプリケーションを終了させる方法を示しています。

const app = require('electron').app
app.on('window-all-closed', function () {
  app.quit()
})

イベント

app オブジェクトは次のイベントを出力します。

イベント: 'will-finish-launching'

アプリケーションの基礎起動が終わったときに出力されます。Windows と Linuxでは、 will-finish-launching イベントとreadyイベントは同じです。macOSでは、NSApplicationapplicationWillFinishLaunching 通知をに相当します。通常、open-fileopen-url 用のリスナーの設定、クラッシュレポートの開始、自動アップデートをします。

ほとんどの場合、 ready イベントハンドラーですべてをするべきです。

イベント: 'ready'

Electronの初期化が終わった時に出力します。

イベント: 'window-all-closed'

全てのウィンドウを閉じたときに出力します。

このイベントは、アプリケーションが終了する予定ではないときのみ出力します。ユーザーが Cmd + Qを押したり、開発者がapp.quit()をコールすると、Electronは最初にすべてのウィンドウをクローズしようとし、will-quitイベントを出力します。この場合、window-all-closedイベントは出力されません。

イベント: 'before-quit'

戻り値:

  • event Event

アプリケーションがウィンドウをクローズし始める前に出力します。event.preventDefault()をコールすると、アプリケーションを終了させる既定の挙動を止めることができます。

イベント: 'will-quit'

戻り値:

  • event Event

全てのウィンドウが閉じて、アプリケーションを終了するときに出力します。event.preventDefault()をコールすると、アプリケーションを終了させる既定の挙動を止めることができます。

詳細は、will-quitイベント と window-all-closed イベントの違いは、window-all-closed イベントの説明を見てください。

イベント: 'quit'

戻り値:

  • event Event
  • exitCode Integer

アプリケーションが終了したときに出力されます。

イベント: 'open-file' macOS

戻り値:

  • event Event
  • path String

アプリケーションでファイルを開こうとしたときに出力します。アプリケーションがすでに起動し、OSがファイルを開くアプリケーションを再使用したいとき、open-fileイベントは出力します。ファイルがdockにドロップアウトされ、アプリケーションがまだ起動していないときにもopen-file は出力します。このケースを処理するために、アプリケーションの起動のかなり早い段階で、open-file イベントをリッスンして確認します(まだ ready イベントが出力する前に)。

このイベントをハンドルしたいときには event.preventDefault() をコールすべきです。

Windowsでは、ファイルパスを取得するために、 process.argv をパースする必要があります。

イベント: 'open-url' macOS

戻り値:

  • event Event
  • url String

アプリケーションでURLを開こうとしたときに出力されます。URLスキーマーは、アプリケーションが開くように登録しなければなりません。

このイベントをハンドルしたい場合は、event.preventDefault()をコールすべきです。

イベント: 'activate' macOS

戻り値:

  • event Event
  • hasVisibleWindows Boolean

アプリケーションがアクティブになったときに出力されます。通常は、アプリケーションのドックアイコンをクリックしたときに発生します。

イベント: 'browser-window-blur'

戻り値:

  • event Event
  • window BrowserWindow

browserWindow からフォーカスが外れたときに出力されます。

イベント: 'browser-window-focus'

戻り値:

  • event Event
  • window BrowserWindow

browserWindow にフォーカスが当たったとき出力されます。

イベント: 'browser-window-created'

戻り値:

  • event Event
  • window BrowserWindow

新しい browserWindow が作成されたときに出力されます。

イベント: 'certificate-error'

戻り値:

  • event Event
  • webContents WebContents
  • url URL
  • error String - The error code
  • certificate Object
    • data Buffer - PEM encoded data
    • issuerName String
  • callback Function

    urlcertificate 検証に失敗したときに発生します。証明書を信頼するためにevent.preventDefault()callback(true)をコールして既定の動作を止める必要があります。

session.on('certificate-error', function (event, webContents, url, error, certificate, callback) {
  if (url === 'https://github.com') {
    // Verification logic.
    event.preventDefault()
    callback(true)
  } else {
    callback(false)
  }
})

イベント: 'select-client-certificate'

戻り値:

  • event Event
  • webContents WebContents
  • url URL
  • certificateList [Objects]
    • data Buffer - PEM encoded data
    • issuerName String - Issuer's Common Name
  • callback Function

クライアント証明書が要求されたときに出力されます。

url は、クライアント証明書を要求するナビゲーションエントリーに対応し、callback リストからエントリをフィルターしてコールするのに必要です。event.preventDefault() を使用して、アプリケーションの証明書ストアから最初の証明書を使用するのを止めることができます。

app.on('select-client-certificate', function (event, webContents, url, list, callback) {
  event.preventDefault()
  callback(list[0])
})

イベント: 'login'

Returns:

  • event Event
  • webContents WebContents
  • request Object
    • method String
    • url URL
    • referrer URL
  • authInfo Object
    • isProxy Boolean
    • scheme String
    • host String
    • port Integer
    • realm String
  • callback Function

webContents がベーシック認証をしようとしたときに出力されます。

既定の動作ではすべての認証をキャンセルしたり、event.preventDefault()callback(username, password) とを証明書でコールし既定の動作をとめてオーバーライドします。

app.on('login', function (event, webContents, request, authInfo, callback) {
  event.preventDefault()
  callback('username', 'secret')
})

イベント: 'gpu-process-crashed'

gpu プロセスがクラッシュしたときに出力されます。

メソッド

app オブジェクトは次のメソッドを持ちます。

Note: いくつかのメソッドは、特定のオペレーティングシステム向けに提供され、そのようにラベルで表示します。

app.quit()

全てのウィンドウを閉じようとします。before-quitイベントは、最初に出力されます。すべてのウィンドウを閉じることに成功したら、will-quitイベントが出力され、既定では、アプリケーションが終了します。

このメソッドは、全てのbeforeunloadunloadイベントハンドラは正確に発生することを保証されます。beforeunload イベントハンドラで、falseを返すことでウィンドウの終了をキャンセルすることができます。

app.exit(exitCode)

  • exitCode Integer

exitCodeで今すぐ終了します。

全てのウィンドウは、ユーザーに確認することなく、すぐに閉じ、before-quitwill-quit イベントは出力されません。

app.getAppPath()

減殺のアプリケーションディレクトリを戻します。

app.getPath(name)

  • name String

nameに関連した特定のディレクトリやファイルへのパスを返します。失敗したら、Errorをスローします。

nameで次のパスをリクエストできます。

  • home ユーザーのホームディレクトリ
  • appData 既定で示すユーザーごとのアプリケーションディレクトリ
    • %APPDATA% Windows上
    • $XDG_CONFIG_HOME or ~/.config Linux上
    • ~/Library/Application Support macOS上
  • userData アプリの設定ファイルを格納するディレクトリで、既定ではappData ディレクトリ配下のアプリ名ディレクトリです
  • temp 一時ディレクトリ
  • exe 現在の実行ファイル
  • module libchromiumcontent ライブラリ
  • desktop 現在のユーザーのデスクトップディレクトリ
  • documents ユーザーの "My Documents"用ディレクトリ
  • downloads ユーザーのダウンロード用ディレクトリ
  • music ユーザーのミュージック用ディレクトリ
  • pictures ユーザーのピクチャー用ディレクトリ
  • videos ユーザーのビデオ用ディレクトリ

app.setPath(name, path)

  • name String
  • path String

nameに関連した特定のディレクトリやファイルへのpath を上書きします。存在しないパスを指定した場合、このメソッドがディレクトリを作成します。失敗したら、Errorをスローします。

app.getPathで、name で定義されたパスを上書きできます。

既定では、webページのクッキーとキャッシュはuserDataディレクトリ配下に格納できます。ロケーションを変更したい場合、 app モジュールの ready イベントが出力される前にuserDataパスを上書きする必要があります。

app.getVersion()

ロードしたアプリケーションのバージョンを戻します。アプリケーションの package.jsonファイルにversionが無ければ、現在のバンドルまたは実行ファイルのバージョンになります。

app.getName()

現在のアプリケーション名を戻し、package.json ファイルのnameです。

通常、 package.jsonname フィールドは、短い小文字名で、npm module spec と一致します。通常、productNameで、アプリケーションの大文字正式名を指定し、Electronではnameをそれで上書きます。

app.getLocale()

現在のアプリケーションのロケールを戻します。

app.addRecentDocument(path) macOS Windows

  • path String

最近のドキュメント一覧にpathを追加します。

この一覧はOSが管理しています。Windowsではタスクバーからこの一覧を見れ、macOSではdockメニューから見れます。

app.clearRecentDocuments() macOS Windows

最近のドキュメント一覧をクリアします。

app.setUserTasks(tasks) Windows

  • tasks Array - Task オブジェクトの配列

WindowsのジャンプリストのTasksカテゴリにtasksを追加します。

tasksTaskオブジェクトの配列で、次のフォーマットになります。

Task Object:

  • program String - 実行するプログラムのパスで、通常はプログラムが開くprocess.execPathを指定します
  • arguments String - program を実行するときのコマンドライン引数です
  • title String - ジャンプリストに表示される文字列です
  • description String - タスクの説明
  • iconPath String - ジャンプリストに表示するアイコンの絶対パスで、アイコンを含む任意のリソースファイルです。通常、プログラムのアイコンを表示するprocess.execPathを指定します。
  • iconIndex Integer - アイコンファイルのアイコンインデックスです。アイコンファイルに2つ以上のアイコンが含まれている場合、この値でアイコンを指定します。1つしかアイコンファイルに含まれていない場合は、この値は0です。

app.allowNTLMCredentialsForAllDomains(allow)

  • allow Boolean

HTTP NTLMまたはNegotiate認証用の照明を常に送信するかどうかを動的に設定できます。通常、Electronはローカルインターネットサイト(例えば、あなたと同じドメイン名のとき)に該当するURL用のNTLM/Kerberos証明書のみ送信します。しかし、この検知はコーポレートネットワークの設定が悪いときには、頻繁に失敗するので、この挙動を共通に行うことを選べば、全てのURLで有効にできます。

app.makeSingleInstance(callback)

  • callback Function

このメソッドは、アプリケーションをシングルインスタンスアプリケーションにします。アプリの実行を複数のインスタンスで実行することを許可せず、アプリケーション実行をシングルインスタンスのみにすることを保証し、ほかのインスタンスにはこのインスタンスの存在を知らせ終了さえます。

2つ目のインスタンスが起動したとき、callback は、callback(argv, workingDirectory) でコールします。argv は、2つ目のインスタンスのコマンドライン引数の配列で、workingDirectory は現在のワーキングディレクトリです。通常、アプリケーションはメインのウィンドウにフォーカスをあて最小化させないことで対応します。

The callback は、 appready イベントの出力後に実行することを保証します。

プロセスがアプリケーションのプライマリインスタンスでアプリがロードし続けるなら、このメソッドは falseを戻します。プロセスがほかのインスタンスにパラメーターを送信し、trueを戻すと、直ちに終了します。

macOSは、ユーザーがFinderで2つ目のアプリインスタンスを開いたり、open-fileopen-urlイベントが出力しようとすると、システムが自動的にシングルインスタンスを強制します。しかし、コマンドラインでアプリを開始するとシステムのシングルインスタンスメカニズムは無視されるので、シングルインスタンスを強制するためには、このメソッドを使う必要があります。

2つ目のインスタンスを起動するとき、メインのインスタンスのウィンドウをアクティブにする例

var myWindow = null

var shouldQuit = app.makeSingleInstance(function (commandLine, workingDirectory) {
  // Someone tried to run a second instance, we should focus our window
  if (myWindow) {
    if (myWindow.isMinimized()) myWindow.restore()
    myWindow.focus()
  }
  return true
})

if (shouldQuit) {
  app.quit()
}

app.on('ready', function () {
  // Create myWindow, load the rest of the app, etc...
})

app.setAppUserModelId(id) Windows

  • id String

Application User Model IDidに変更します。

app.isAeroGlassEnabled() Windows

DWM composition(Aero Glass) が有効なら、このメソッドはtrueを戻し、有効でなければfalseを戻します。透明なウィンドウを作成する必要があるか、またはできないとき(DWM compositionが無効なとき用明なウィンドウは正しく動作しません)、このAPIを使うことができます。

使用例:

let browserOptions = {width: 1000, height: 800}

// Make the window transparent only if the platform supports it.
if (process.platform !== 'win32' || app.isAeroGlassEnabled()) {
  browserOptions.transparent = true
  browserOptions.frame = false
}

// Create the window.
win = new BrowserWindow(browserOptions)

// Navigate.
if (browserOptions.transparent) {
  win.loadURL(`file://${__dirname}/index.html`)
} else {
  // No transparency, so we load a fallback that uses basic styles.
  win.loadURL(`file://${__dirname}/fallback.html`)
}

app.commandLine.appendSwitch(switch[, value])

Chromiumのコマンドラインにスイッチ( valueをオプションにし)を追加します。

Note: これは、process.argvに影響せず、開発者が、Chromiumのローレベルな挙動をコントロールするのに使用します。

app.commandLine.appendArgument(value)

Chromiumのコマンドダインに引数を追加します。引数は正しく引用符で囲まれます。

Note: process.argvに影響しません。

app.dock.bounce([type]) macOS

  • type String (optional) - critical または informationalを指定できます。既定では、 informationalです。

criticalを渡すと、アプリケーションがアクティブ、もしくはリクエストがキャンセルされるまでは、dockアイコンは、バウンスします。

informational を渡すと、1秒dockアイコンはバウンスします。しかし、アプリケーションがアクティブ、もしくはリクエストがキャンセルされるまでは、リクエストは残ります。

リクエストを示すIDを戻します。

app.dock.cancelBounce(id) macOS

  • id Integer

idのバウンスをキャンセルします。

app.dock.setBadge(text) macOS

  • text String

dockのバッジエリアで表示する文字列を設定します。

app.dock.getBadge() macOS

dockのバッジ文字列を戻します。

app.dock.hide() macOS

dock アイコンを隠します。

app.dock.show() macOS

dock アイコンを表示します。

app.dock.setMenu(menu) macOS

  • menu Menu

アプリケーションのdock menuを設定します。

app.dock.setIcon(image) macOS

dock アイコンに紐づいたimageを設定します。

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