継続的インテグレーションシステムによるテスト(Travis CI, Jenkins)
Electron は Chromium を元にしているので、実行にはディスプレイドライバーが必要です。Chromium がディスプレイドライバーを見つけられないと、Electron は起動に失敗してテストの実行ができません。Travis や Circle、 Jenkins などの継続的インテグレーションシステムで Electron アプリをテストするにはちょっとした設定が必要です。端的に言うと仮想ディスプレイドライバーを使用します。
仮想ディスプレイサーバーの設定
まず Xvfb をインストールします(リンク先は英語)。Xvfb は X Window System のプロトコルを実装した仮想フレームバッファです。描画系の操作をスクリーン表示無しにメモリ内で行ってくれます。
その後 xvfb の仮想スクリーンを作成して、環境変数 $DISPLAY
に作成した仮想スクリーンを指定します。Electron の Chromium は自動で$DISPLAY
を見るので、アプリ側の設定は必要ありません。この手順は Paul Betts 氏が公開しているツール xvfb-maybe によって自動化されています。テスト実行コマンドの前に xvfb-maybe
を追加するだけで、現在のシステムが必要とする xvfb の設定を自動で行ってくれます。xvfb の設定が必要ない Windows や macOS では何もしません。
## Windows や macOS では以下のコマンドは electron-mocha をただ起動するだけです。
## Linux でかつ GUI 環境でない場合、以下のコマンドは
## xvfb-run electron-mocha ./test/*.js と同等になります。
xvfb-maybe electron-mocha ./test/*.js
Travis CI
Travis では .travis.yml
を以下のようにするといいでしょう。
addons:
apt:
packages:
- xvfb
install:
- export DISPLAY=':99.0'
- Xvfb :99 -screen 0 1024x768x24 > /dev/null 2>&1 &
Jenkins
Jenkins では Xvfb plugin という便利なプラグインが利用可能です(リンク先は英語)。
Circle CI
Circle CI では、なんと既に xvfb 及び $DISPLAY
が設定されているので、何の設定も必要ありません(リンク先は英語)。
AppVeyor
AppVeyor は Selenium や Chromium、Electron などをサポートしている Windows 上で動くので、特に設定は必要ありません。